セミプロの間では、数年おきに上場日経平均オプションを使って、フット(日経平均が下落したら支払い義務を負うタイプ)をショー卜して、目先の収益を得る取引が流行します。たいていの場合、オプションの売り戦略は1年から2年はゴツゴツ勝ちます。
しかし、数年おきに起こるたった1回の負けで儲けをすべて吐き出す結果になり、まさにコツコツードカンです。
2008年のリーマンショックでも、2011年の東日本大震災でもまったく同じでした。このとき、株価指数オプションを売っていた個人投投資家の多くは破産、中小証券のいくつかは顧客の負け金を回収できずに廃業しました。
オプション商品の値づけを行う業者は、どんなかたちにしろ、オプションを売り建てたときは、株式や先物のポジションを保有したり、別のオプションを購入して、リスクを相殺します。
ノーガードで勝負することはありません。つまり、オプションの基本は買い戦略で、売り戦略は他のポジションと組み合わせるか、リスク分散して、ヘッジできる参加者のみというのが正しい使い方なのです。
海外に出かける際に、期間限定の旅行保険に入る方も多いと思います。1週間の旅行にいくのに、3ヵ月分の保険に入る方はいません。
買いが基本のオプション戦略の二番目のツボは、保険と同じ保有期間の管理です。実際には、有効期間が数日だけのオプションはほとんど存在しないので、イベント直前に買って、直後に売ります。
このとき、予想が当たっても外れても、結果にかかわらず、必ず手仕舞うのが鉄則で上手くいかないときは「もうちょっと待とう」、大儲けしたら「もっと稼げるかも」と邪念が出るのが常です。
しかし、イベントが終わったら保険は不要なのです。これを守れば、オプション買い戦略のリターンを向上させることができます。